向津具半島というところ – 自給自足のはじめかた

私たちの暮らし始めた向津具(むかつく)半島というところを、自給自足の場・暮らしを営む場としてどんな土地なのか紹介したいと思います。

また私たちが移住地として向津具を選んだ理由も含めて紹介したいと思います。

 

 

-観光地としての向津具半島-c0120796_21334759

 

本当は自分の言葉で紹介しないといけないのですが、市役所のHPが向津具半島を含む長門市の地形や文化の特徴と魅力を割りと短い文章で言い表してくれてるので、以下に引用させてもらうことにします!(笑)

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本州の最西北端、山口県の西北部に位置する長門市。東は萩市、南は下関市、美祢市に接し、市の北部には北長門海岸国定公園に指定される美しい日本海の風景が広がっています。日本海沿岸一帯の豊かな漁場では、古くから捕鯨や漁業が盛んに行われ、多くの漁港が点在しています。北長門海岸国定公園に指定される海岸線では、日本海の荒波に浸食された岩と白い砂浜が出入りし、変化に富んだ雄大な自然景観を生み出しています。中でも紺碧の海上に奇岩怪石が連なる海上アルプス「青海島」、遥か日本海を展望できる「千畳敷」、海に浮かぶ「棚田」のシルエット、本州最西北端に突き出した「川尻岬」の緑青色の海などは、訪れる人々を魅了します。
また、長門市は温泉に恵まれ、風情も効能も異なる5つの温泉郷があります。清流にホタルが舞いカジカの声が響く「湯本温泉」、山間の湯治場「俵山温泉」、長閑に効能を楽しむ「湯免温泉」、美しい海を臨む「黄波戸温泉」や「油谷湾温泉」があり、多くの人が訪れています。

一方、いのちと心を大切にした童謡詩人「金子みすゞ」、シベリヤ・シリーズで知られる画家「香月泰男」、長門出生伝承の残る劇作家「近松門左衛門」といった人たちの存在は、長門の文化を深く魅力あるものにしてくれます。歴史の舞台では大内氏終焉の地として語り継がれ、楊貴妃伝説など浪漫溢れる物語も数多くあります。>

 

上記の文章でなんとなくイメージは掴んでいただけるんじゃないかと思います。(良いところでしょう!?笑)

(写真は向津具半島の先端と油谷島です。)

 

 

 

― 気候 ― 

ここ向津具半島の気候は少し特異かもしれません。

私たちもこの土地を知る以前は「日本海側だから、寒くて冬は曇りが多くて湿っぽい感じ。。」とあまり良い印象を持ち得ていませんでした。

実際に過ごしてみると、まったく違う、とは言いませんが、かなり違うことがわかりました。

向津具半島のある山口県北西部は日本海側気候と海洋性気候を足したような気候だと思います。山口県の中央部にあまり高い山が無いため、島根や鳥取などの他の山陰地方のようにはっきりとした日本海側気候とはならず、冬は確かに曇天の日が比較的多いですが、暖流の対馬海流が流れる海に囲まれた土地なので冬でも極度に寒くなるということはありません。実際、年間の平均気温は16℃と東京の平均気温とあまり変わりません。積雪も年に数回あるかないか。

また海に囲まれているので、全体的に冬は季節風の影響により比較的風が強い地域でもあります。

夏期は、時には雨が降る日が少なく、晴天に恵まれます。

年間を通してみると降雨量1900ミリ程度と日本の中では平均的な降雨量なので、冬期の降水量が比較的多いということになります。

また向津具半島から少し山口県の内陸部に向かうと短時間で高度が300~400Mと上がる地形なので、向津具半島で終わってしまった季節の野草や花も少し内陸部に行くと、これから咲き始めたりと、場所によって季節が変わるという面白さもあります。

 

 

― 農 ―

気候条件の比較的温暖な向津具半島では年間を通した自給自足的農業も可能だと思います。そして前述の通り向津具半島は平らな土地はごく一部で、大規模な農業にはむきません。逆に言えば昨今でもまだ平然と行われている無人ヘリなどによる空中散布は、場所が限られているので、ほぼ完全に無農薬で野菜が作れる場所も多いということです。

山間の畑・棚田は加速度的に耕さなくなった放棄地が増えているのも問題ではありますが、(ここ向津具半島も過疎化地域です)

大規模に農業をするのではなく自給自足の農を始めるのであれば、山間の棚田(向津具は海の見える棚田が多い♪)を開墾して使った方が、農薬の害も、周りの慣行農家への気遣いも少なくてすむという点ではむしろ都合がよいかもしれません。ただ夏期は降雨が少ないことがしばしばあり、水の乏しい場所においては栽培可能な作物が限られることがあります。

中山間地の畑・棚田には付きものの獣被害について。

山口県でも内陸部に行くと山も深く、イノシシ、サル、シカなどから作物を守らなければなりません。

しかし海に突き出た形の半島部である向津具では内陸部ほど山が深くはないので、実質イノシシの対策が主に必要なだけで、厄介なサルや鹿の被害はあまりありません。山に近い耕作放棄地を開墾したりして田畑にすることが多い私たちにはこのあたりも意外と大事な要素だと思います。

 

 

 

― 温泉 ―

大昔は山口県も九州と陸続きで、山口県にも火山帯があったようです。

今はその名残りから向津具半島がある長門市にも5つの温泉地があります。

そのうち三つは市営の温泉施設があり、200円~400円とかなりリーズナブルな価格設定で入れます。有名温泉地からしたら多少施設も泉質も地味かもしれませんが、過度に観光地化されてない価格や佇まいを私たちはとても気に入っています。

自給自足とは関係のないことかもしれませんが、温泉好きの私たちは移住後半年間で既に30回ぐらいは行ってるかも(笑)。

温泉についての詳しい情報は他サイトに譲りますが、これも私たちの自給自足生活には嬉しい向津具の豊かさでした。

 

 

― 自然災害 ―

異常気象や大地震が起きてもおかしくない昨今、移住地を考えるのに自然災害のことを考慮せずに決めることはできないと思います。

その中でも特に地域性によって被害の可能性が変わってくる災害を『地震』や『台風』と考えています。

自給自足の生活をする場合、古い民家を借りて自分たちで直し、暮らしを始めるというスタイルが多いと思います。実際私たちもそうです。

古い家を借りる、直す際に気になる&直しきれない場合が多いのが『家の耐震性』などの部分だと思います。

私たち素人大工では耐震性の維持・向上まで考慮して家を直すのは難しい場合が少なくありません。

自給自足生活を目指す理由の一つに、安心して暮らしが営みたい、という思いが根底にありますので、

必然的に少しでも大地震が起きる可能性の少ない地域を優先的に候補地として考えてきました。

地震大国日本の中でも、ここ向津具半島の近くには大きな海底プレートがなく、震度の大きい大地震の起きる可能性の低い地域といえると思います。(もちろん日本中に活断層はありますので、大地震の起きる可能性はありますが、海底プレートに由来して起きる大地震よりも、その頻度も、震度もずっと低いものだと考えています。)

そして台風ですが、地理的に日本海側に面した向津具半島ですが、台風の進路などを考えると台風の上陸地点とはなりにくく地理的には比較的被害の出にくい地域と言えると思います。

良いことばかり書きましたがここ向津具半島にも当然自然災害が起きる可能性はあります。

考慮すべきは豪雨による土砂災害だと思います。向津具半島はどこから見ても素晴らしい景色が見えると言われていますがその代わりに急峻な地形が多く、豪雨時には土砂災害の起きるリスクがあります。

これはどこの土地でも同じで、居住する上でのリスクというものが必ずあるということです。

綺麗な川が近くにあっても代わりに氾濫の可能性があったり、絶景の場所であっても代わりに大風が吹いたり、温泉が多くても火山由来の災害が多かったり、南の島で気候は良くても危険生物が多い・台風被害が多かったりなど、つまり風光明媚な場所の反面には必ず危険(リスク)も潜んでいるということです。

詳しくは『移住のしかた』ページに書かせてもらいましたが、『居住リスク』がまったく無い土地というのはありえないと思いますので、移住するその土地や今住んでいる土地にある居住リスクに対して、正しく知って出来うる範囲で備える、ことが大事だと考えます。

 

 

ー 海 ー

 

なんといっても私たちが向津具で一番好きなのは、向津具の海です。

移住地探しの旅で、西日本~沖縄の離島まで各地で潜りましたがここ向津具の海はその中でも有数の豊かさの残る場所だと思っています。

私たちの言う『豊かさ』とは水の透明度が良いことやカラフルな熱帯魚がいることではありません。

そこの海からの海産物などの恵みでどれだけ自給自足ができるのか、どれだけ多くの魚種がいるのか、どれだけ多くの海藻が生えているのか、どれだけ汚染が少ないかなどの、いわば『海の健康度・海の中の生物多様性』のことです。

全国的に海洋汚染や磯焼け現象が進む中、まだこの向津具には豊かな海が残っていることを、移住地探しの中で各地で素潜りをしてみて実際に体感しましたし、資料などを調査してもそれを裏付けてくれるデータがたくさんあります。

参考資料:日本の海域別現存面積 http://www.biodic.go.jp/reports/4-12/r011.html

都道府県別の河川・海域の汚染度調査結果http://www.env.go.jp/water/suiiki/h22/full.pdf#search=’%E6%B2%B3%E6%B5%B7%E5%9F%9F%E5%88%A5+COD’

私たちの生活と、山や海は全てつながっています。向津具には確かにまだ豊かな海が残っていると思います。

ただしかし、全国の森林の半分が人工林になろうとしている今の時代に、自然豊かな向津具の海も、人の出す汚染物質や山からのミネラル供給不足などが原因でその豊かさが脅かされているのが現実です。(これは向津具だけではなく日本全国どこにでもある問題ですが。)

自給自足の大先輩であり、向津具の海から塩を作り出している百姓庵さんも、

何年も前からここ向津具の海を守るための取り組みをされています。

わたしたち新たな移住者も自給自足の生活を目指すとともに、ここの自然を守っていくためにできることをしていかなければいけません。

 

 

―向津具コミニュティ―

自給自足の先輩で塩作りをしている百姓庵を中心にして、

向津具半島には各地より田舎暮らしや自給自足をしたい若者や移住者が増えてきています。

私たち向津具コミニュティのメンバーは、

それぞれが独立した生活を営んでいますが、食・エネルギー・医療(自然療法)などの生活に必要なものの自給を目指し、それぞれが生産した物や思い、人やお金ができるだけ地域、コミニュティ内部で循環し、お互いが質の高い暮らしが送れるよう、有機的なつながりのあるコミニュティを目指していきます。

また、ここ向津具半島の豊かな海や森の自然をいつまでも守るため、それぞれが持続可能性に配慮しながら生産したものを、地域の外へも提供していきたいと思います。

 

 ―移住支援制度―

向津具半島のある長門市の定住支援制度です。

自給自足生活をしながら塩を作る百姓庵も「先輩移住者の声」として紹介されています。

http://www.nagatoteiju.com/

 

 

―終わりに―

私たちが住む向津具半島は、沖縄や阿蘇などの移住人気地などから見たら確かに地味な土地柄かもしれません。

ですがその代わりに、『生活を営む』という観点から見れば上記に挙げたように決して他の場所に劣らない豊かな土地であると感じています。

素晴らしい景色、温泉、比較的温暖な気候、それに豊かな海もあります。実際に暮らしてみて向津具半島は本当に良い土地だと感じています。

しかし私たちの大好きなここ向津具半島も決して理想郷ではありません。

大陸から日本への黄砂や越境大気汚染などのグローバルな環境汚染なども騒がれて久しいですし、ひとたび周りの地域や国で何かが起これば、その影響もグローバルな時代です。

しっかりと日々の生活を大事にしながらも、今ある自然、社会、人との関わりを守っていきたいと思います。

 

 

 

 

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