床張りに続いて、風呂の修繕!!
母屋改装の中でも実はこのお風呂の修繕が一番時間も労力もかかってるっ!!
before
この家を借りる時、初めて浴室を覗いたときに撮った写真。
天井は剥がれ落ち、壁はシミだらけ。
4畳半ほどの大きな浴室にホーローの浴槽とタイルの洗い場、洗面所もついて、おまけに洗濯機も据え置いておりました。
これでもかなりマシなほうだと思います。
写真がブレブレですが,
笑 動揺していたわけではありません。。
天井は長年の湿気から破れ落ち、屋根裏が覗いてた。
幸い屋根裏までは傷んでおらず。。
ホーローの浴槽は表面にサビが出ていたので、エポキシ樹脂で修繕すればいいぐらいかと考えていたが、
サビ部分を軽く叩いてみると、なんとボロボロと浴槽に穴があいた!!
表面だけが錆びていたのではなく、浴槽の裏側から錆びてきていたのが表面にまで浮き出てきていた。。
表からは見えないけれどもホーローの浴槽は裏側から腐食が進み、すでにボロボロ。
直して使える状態ではないので壊して取りのぞくしかない。
浴槽を固定しているコンクリートをひたすら大ハンマーで砕き、ホーローの浴槽を取り外す。
錆びてボロボロとは言え、60キロぐらいはありそうな重さ。。
嫁さんとでは無理な重さなので、男手を借りて2人がかりで運び出す。
むき出しのコンクリに、、レンガに、、鉄筋に、、、
なんじゃこりゃと思うかもしれませんが、一応それぞれに役割がある。
一番下が火を焚く炉内。その上に浴槽を乗せる引っ掛かりがあり、浴槽の周りは煙道と言われる煙の通り道がある。
そして一番上の平らなコンクリート部分に浴槽の上淵が乗っかるようになっている。
わかりやすい図がこれ。
これは丸い形をした五右衛門風呂ですが、構造は同じです。
ちなみに僕らは普段五右衛門風呂と言っていますが、正確には『長州風呂』と言われるもの。
(長州風呂というぐらいだからここ山口県が発祥かもしれない。)
さらに、ほんとに大昔からある五右衛門風呂はこれ。
煙道も煙突もない、直火だけで湯を沸かす方式。
これだと普通サイズの五右衛門風呂を沸かすのに1時間以上かかるんじゃないだろうか。
さて、
外したホーローの浴槽の代わりに何を浴槽に使うか。
選択肢としては3つ。
1、新品のホーロー浴槽を購入(安くても10万円以上はする)
2、中古のホーロー浴槽をもらってくる。(見つかるまで時間がかかる)
3、庭に転がっていた丸い五右衛門風呂を使う(錆びているので使えるかが問題。)
こういう暮らしを志したら新品を買うことに魅力を感じないし、
中古のホーローはいつ出てくるのかわからず、急いでもいたので、
庭の五右衛門風呂が使えれば、それがベストな!
これが庭の裏に転がっていた五右衛門風呂。
けれども見た目はサビっサビ。。
たぶん20年以上放置されていたし、半分土に埋まって水と泥でいっぱいだったし、正直とても使えないと思っていたけれども、
カナヅチで叩くとカーンという高い金属音が返ってくる。
どこを叩いても同じような高い金属音。
どうやら錆びているのは表面だけの様子。
ナゼ?! 正直驚いた。
この五右衛門風呂はホーロー浴槽のさらに前に使われてたものなのに。
調べてみると、どうやら答えは『人間の皮脂』らしい。
長年使い込んだ鉄製の五右衛門風呂は表面にできたサビが膜を作り、人間が出す皮脂分(油分)も、その膜を作る助けをし、サビが内部まで進行するのを防いでくれるらしい。
なるほど~。長年使い込んだフライパンがサビないのと同じですね。
籾すり機に続いてこの五右衛門風呂も掘り出し物の一つ!先代はいいものを残してくれましたっ!
とはいえ、これをまた使うにあたって、このサビっサビのままではどうかと思い、悩んだ末にグラインダで一度錆びを落とすことにした。
削りたてで植物油を塗ったテッカテカの五右衛門風呂。
削ったそばから空気に触れるとサビるみたいで、植物油を塗って膜を作ったらサビは止まった。
ちなみに、塗った油は荏胡麻油。人間の皮脂に一番近い椿油がベターなんだろうけど、高いので笑。
でもこの油も一時的な保護膜。
五右衛門風呂が完成したら、せっせと自分たちの皮脂分で五右衛門風呂をコーティングして、今以上にテッカテカにしてやるっ!
・・
五右衛門風呂再生への道は続くっ!!